発電の仕組み

発電の仕組み

ガスエンジン発電機の仕組み

バイオガスプラントにおける発電機はガスエンジン発電機(ディーゼルエンジン)を使うことが一般的です。ガスエンジン発電機は小型で高い発電効率を出せる点が特徴で、バイオガスという気体燃料を扱うという点でも親和性の高いものです。

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ガスエンジンにおける発電は4つの連続したプロセスから成ります。
①吸気
ピストンが下がることで、バイオガスと空気の混合気がシリンダー内に吸い込まれます。
②圧縮
ピストンが上がることで、混合気が圧縮されます。
③着火・燃焼
圧縮された混合気に着火することで混合気が燃焼し、急激に膨張します。その膨張によってシリンダーが下に押し下げられます。
④排気
ピストンが上がることで、燃焼した混合気が外へと排出されます。

ガスエンジン発電機のメンテナンス

バイオガスプラントの設備メンテナンスにおいて最も費用を要するのが、このガスエンジン発電機となります。メンテナンス体制の整ったメーカーの場合、「xx時間でxxの部品を交換する」といったメニューが必ずあり、またその部品交換・メンテナンス内容は多岐に渡ります。金額は諸条件によりますが、3円/kWh〜5円/kWhとなることが多いようです。FITを利用した場合、39円/kWhの単価で売電することができますが、その1割前後がガスエンジンのメンテナンス費用になることになります。
また、昨今では、中国製や韓国製の安価な発電機を採用するケースもあり、これらの発電機の場合、メーカーのメンテナンス体制の下できちんとした維持管理を行う、というよりは、「壊れたら買い換えてしまえ」という感覚のようです。(それだけ発電機が劇的に安い)

ガスエンジン発電機のオイル交換

ガスエンジンはシリンダー内をピストンが連続的に上下することで発電を行います。
そのため、ピストンがシリンダー内をスムーズに動くことが無駄なく発電する上で重要となります。この役割を担うのが「エンジンオイル」です。車のエンジン同様、エンジンオイルは定期的に交換が必要となり、この交換作業はプラント運用者側で行うことのできる容易かつ頻繁に行う作業となります。
また、エンジンオイルは潤滑油の役割だけでなく、シリンダー内の燃料の燃え残った微粒子を洗い流す役割もあります。洗い流した微粒子はオイルフィルターを通すことで除去されますので、オイルフィルターも頻繁に交換が必要となる部品となります。

その他の発電機

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<蒸気タービン>

蒸気タービンは表に挙げた4つのうちでは最も発電効率が低くなることがほとんどです。様々な燃料を扱えるという長所はありますが、バイオガスプラントにおいては通常、燃料はバイオガスのみであるため、その長所は活かされません。そのため、バイオガスプラントに蒸気タービンを使うケースはほとんどありません。
しかし、焼却施設等にバイオガスプラントを併設する場合には、バイオガスだけでなく焼却炉の熱と合わせて発電することができるため、利用する機会があると思われます。この仕組みは「コンバインドシステム」と呼ばれ、環境省の「廃棄物系バイオマス活用ロードマップ」では、自治体の焼却設備更改時に検討することが推奨されています。

<燃料電池>

燃料電池は他の発電機と比較して高価であり、収益性を重視する場合には採用は難しいと思われます。ただし、発電効率が高いという大きな長所があるため、将来技術革新が進めば、バイオガスプラントに利用されるようになるかもしれません。

<ガスタービン>

メンテナンスが容易であるため、稼働率は比較的高くなります。また、初期投資・メンテナンス費用もガスエンジンより抑えることができます。ただし、発電効率はガスエンジンより1割以上低く、長期的な利益で考えた場合には不利になるケースが多くなります。発電だけでなく熱の利用を期待するような場合や長期的な利益よりも早期の投資回収を求めるような場合には、ガスタービンを選択することも考えられるかもしれません。